電圧(電位差)の単位と言えばボルト(V)でしょう。理科や電気系の科目が苦手な方でも、この単位は普段良く見聞きするはずです。
何ならすべての電気系単位の基本はボルト(V)なんじゃないかと思われそうですが、実は電圧という概念は電流(A)と電力(W)から導き出される組合せ単位なのです。
今回は電圧の単位ボルトの換算方法を解説し、よく使われる倍量/分量単位(kV, μVなど)もご紹介します。
電圧の単位ボルト(V)とは
表す量
電位(差)、電圧、起電力
単位系
SI系で、固有の名称を持つSI組立単位の1つです。
SI組立単位については、こちらの記事で詳しく解説しています↓↓↓
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ボルト(V)の定義
1Aの電流が流れる導体の2点間において消費される電力が1Wであるとき、その2点間の電圧(電位差)
つまり式で表すと以下の通りです。
1V = 1W / 1A
理科で電圧と電流、電力の関係を習った時は、電力[W] = 電圧[V] × 電流[A]で覚えた方も多いと思いますが、実際には電圧[V] = 電力[W] / 電流[A]という式を変換したものなんですね。
ボルトの単位表記
大文字のアルファベット[V]と表記します。
「ボルト」の由来は、ボルタ電池の発明者であるイタリアの物理学者、アレッサンドロ・ボルタの名前からです。
ボルトの倍量・分量単位
電圧の単位ボルトにも、より大きな電圧を表す際に使う倍量単位(キロボルト[kV]など)と、より小さな電圧を表す分量単位(ミリボルト[mV]やマイクロボルト[μV]など)が存在します。
倍量単位、分量単位とは何か気になる方はこちらの記事も参考にどうぞ↓↓↓
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各単位とボルトとの関係は下表の通りです。
単位名 | 変換 |
キロボルト kV | 1000V 103V |
ボルト V | 1V |
ミリボルト mV | 0.001V 10-3V |
マイクロボルト μV | 0.000001V 10-6V |
ナノボルト nV | 0.000000001V 10-9V |
ピコボルト pV | 0.000000000001V 10-12V/sup>A |
よく使う単位として、特に以下はしっかり覚えておくことをおすすめします。
- 1キロボルト(kV) = 1000ボルト(V)
- 1ボルト(V) = 1000ミリボルト(mV) = 100万マイクロボルト(μV)
日本の電圧と海外の電圧
海外旅行の経験がある方なら、日本の電化製品を海外で使うために、変圧器や変換プラグを持って行ったことがあるでしょう。
日本では一般家庭の電圧は全て100Vに統一されていますが、この電圧は世界共通ではありません。国によって110Vだったり220Vだったり、はたまた同じ電圧でもコンセントの形が違っていたりと、実に様々なのです。
ここでは主な国の電圧とコンセント形状を一覧表にしてみましたので、海外へ渡航する予定の方は参考にして下さい。
国名 | 電圧[V] | コンセントタイプ |
日本 | 100 | Aタイプ |
アメリカ | 110/120 | Aタイプ |
中国 | 220 | A/B/B3/BF/C/O/O2/SEタイプ |
韓国 | 110/220 | C/SEタイプ |
イギリス | 230 | BFタイプ |
フランス | 230 | C/SEタイプ |
オーストラリア | 220 ~ 240 | O/O2タイプ |
なお、本記事でのコンセント形状画像は、ククレンタル(Cucoo RENTAL)さんのサイトから拝借しました。
世界中あらゆる国の電圧とコンセント形状について掲載されていますので、詳しくは以下サイトを参考になさって下さい。世界広しと言えど、100Vを使っているのは日本だけです。
まとめ
電圧の単位「ボルト(V)」の定義:1Aの電流が流れる導体の2点間において消費される電力が1Wであるとき、その2点間の電圧(電位差)
1V =1W/A
※W:ワット。電力のSI単位 A:アンペア。電流のSI単位
Vの前にSI接頭辞を付けて、Vより大きい/小さい量を表すことができる
例)1kV = 1000V、1V = 1000mV = 1000000μV
日本の一般家庭の電圧は100Vだが、海外では110V ~ 240Vで各国・地域によって異なる。100Vを採用しているのは日本のみ。