SI(国際単位系)で定義されている単位の1つに”時間”があり、そこでの基準となるのは「秒(s, sec)」です。
しかし私たちが日常生活を送る上で、時間を表す単位は「分(min)」や「時間(h,hr)」など他にもありますよね。
今回は時間の単位記号を一覧でご紹介すると共に、それぞれの使い方など解説していきたいと思います。
時間の基本単位と定義
時間の基本単位「秒」の定義
時間に関連する単位の全ての基準は、冒頭で書いた通り「秒(second)」です。秒はSIで基本単位として厳密かつ国際的に定義のなされた単位となっています。
SI単位系について詳しくはこちらの記事で解説しています↓↓↓
国際単位系とは?SI基本単位と換算(変換)を一覧表で紹介!
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その定義を改めて記載してみますと以下の通りです。一般人にとっては何のことだかさっぱりわからない定義ですね。。。
秒の定義:セシウム133原子の基底状態の二つの超微細準単位間の遷移に対応する放射周期の9192631770倍の時間
私達の生活から考えると時間の単位の基準は「1日」であり、それは地球が自転で1回転する間の時間という感覚の方がしっくりくるのではないでしょうか。
また1日=24時間、1時間=60分、1分=60秒という風に、どちらかと言うと段々細かく分割していくイメージです。
なぜ時間の単位の基準が秒なのか、その理由については改めてご紹介したいと思います。
秒の記号表記
日本語の秒は英語でsecondという単語で表されます。秒の記号はこの頭文字を取ってsと表記されることが多いです。
ただしsと表記する単位は他にも存在するため、組立単位で表記する際、一体どの単位の事なのか分かり難くなることがあります。そのため秒はしばしばsecと表記されることもあります。
私自身も、仕事で秒を扱う時はsecと記載することが多いですね。
時間の単位一覧
秒以外に使われる時間の単位にはどんなものがあるか、一覧にまとめたものが以下の表です。
単位名 | 単位記号 | 定義 |
秒 | s, sec | セシウム133原子の基底状態の二つの 超微細準単位間の遷移に対応する放射 周期の9192631770倍の時間 |
ミリ秒 | ms | 1秒の1/1000(千分の一)。10-3秒 |
分 | min | 1秒の60倍。60秒 |
時間 | h, hr | 1秒の3600倍。3600秒 |
日 | d | 1秒の86400倍。86400秒 |
月 | ― | 1年を12に分けた内の1つ(単位ではない) |
年 | y | 約365.24218944日 |
※単位記号が2つ記載されている単位は、どちらを使っても特に問題はありません。
単位としてきちんとした定義があるのはミリ秒、秒、分、時間、日、年で、「1月、2月、…」といった月は、実は単位ではないんですね。ただ、私たちの日常生活には非常に密接に関係のある概念ですので、本記事では単位の1つとして敢えて挙げています。
時間の単位の使い方
単位一覧表で単位記号の記載があるものについては、以下のように使うことができます。同じ単位同士なら足し算や引き算といった四則演算も当然可能です。
表記の仕方
秒(s, sec): 1秒 = 1s (sec)、10秒 = 100s (sec)、30秒+20秒=30s + 20s = 50s(sec)
分(min): 1分 = 1min = 60s、100分 = 100min、2 / 60min = 30min
時間(h,hr): 1時間 = 1h (hr)、24時間 = 24h (hr)
日(d): 1日 = 1d、1週間 = 7日 = 7d
年(y): 1年 = 1y、100年 = 100y
時間単位の換算
時間単位を換算する際は以下のように表記します。
分:1min = 60s (sec)
時間:1h (hr) = 60min = 3,600s (sec)
日:1d = 24h (hr) = 86,400s (sec)
年:1y = 約365d = 8,760h (hr) = 31,536,000s (sec)
秒以下の表し方
時間の単位一覧表でミリ秒(ms)を掲載しましたが、秒以下の時間の表し方は以下のようになります。
SI接頭辞 + 秒(s, sec)
SI接頭辞はミリやメガといった分数や倍数を表すための表記です。詳しくは以下の記事をご参照ください↓↓↓
SI接頭辞(SI接頭語)とは?一覧まとめと変換方法、覚え方を紹介!
SI接頭辞(SI接頭語)とは?一覧まとめと変換方法、覚え方を紹介!
ただし接頭辞はどれを使っても良いかと言うと、そうでもなさそうです。ミリ秒(千分の一秒)にはmsという記号表記がありますが、センチ秒(百分の一秒)やデカ秒(十秒)といった表現はまずしません。
時間の単位で接頭辞を使うのは秒以下のごく短い時間に対してのみ、かつ-3の倍数のみです。
以下にその表現を挙げてみました。
- ミリ秒(千分の一秒):ms(ミリセックとも呼びます) = 1/1000s
- マイクロ秒(百万分の一秒):μs(マイクロセックとも呼びます) = 1/1000000s
- ナノ秒(十億分の一秒):ns(ナノセックとも呼びます) = 1/1000000000s
ちなみに、もし1/100秒などの時間を表現したい場合は、センチ秒ではなく10msというように、最も近い倍数の表現を基準にして書くと良いでしょう。
まとめ
時間の単位の基準:秒(s,sec)
秒の定義:セシウム133原子の基底状態の二つの超微細準単位間の遷移に対応する放射周期の9192631770倍の時間
その他の時間単位の種類:分(min)、時間(h,hr)、日(d)、年(y)
※1月、2月といった「月」は厳密には単位ではない
秒以下の短い時間を表現したい場合は、ミリ秒(ms)、マイクロ秒(μs)、ナノ秒(ns)といった10-3倍毎のSI接頭辞を付ければOK