濃度を表す単位の1つに「ppm(ピーピーエム)」があります。濃度と言えば「パーセント(%)」を思い浮かべる方も多いと思いますが、それよりもはるかに小さな濃度を表します。
今回はppmがどんな単位なのか、他にも小さな濃度を表す単位としてppb、ppt、ppqなどありますが、それらの意味などについてもご紹介します。
※記事後半で、ppmと他の濃度単位との換算が簡単にできるツールをご用意しましたので、パッと計算したい方は使ってみて下さい。
目次
ppmとは
ppmは1970年代に多く発生するようになった公害「光化学スモッグ」で広く知られるようになりました。大気中の光化学オキシダントという物質の濃度を表すのに使われていたからです。
パーセント(%)と同じく割合(分率)を表す単位ですので、ppmを使う際は必ず何かしら基準となる量が必要になります。
単位記号
[ppm]※Parts per millionの頭文字を取ったもの
ppmの定義
ppmはParts per millionの略で、日本語に訳すと「100万分の1」という意味です。またの名を「百万分率」とも言います。
1パーセントが100分の1ですから、1ppm = 1/10000 %ということですね。濃度としては相当薄いことがわかると思います。
定義を改めて式で表すと以下の通りです。
1ppm = 求めたい量 / (基準となる量 + 求めたい量) × 106
ppmの濃度の求め方
ppmは1/100万を表す単位と書きました。実際の濃度の求め方としては、次のようになります。
例として、ガソリン車の排ガス規制を考えてみましょう。一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)の規制値はそれぞれ以下の通りです。
- HC:300ppm
- CO:1.0% (=10000ppm)
まずHCの300ppmというのは、そのまま考えると300 m3/1000000 m3という意味ですが、いまいち濃度として分かり難いですよね。
そこで小さな単位をベースにしてみると、300 cm3/1000000 cm3となります。ここで1000 cm3 = 1 L(リットル)ですから、300ppm = 0.3 L/1000 Lですね。
もう一息わかり易いように分母を1Lに変換してみると、300 ppm = 0.3 mL/Lと置き換えることができます。つまり、1 Lの体積の空気中にわずか0.3 mLのHCが含まれる量ということになります。
ここまで来ると、どれだけ小さい濃度を表すかイメージが湧きやすいのではないでしょうか。
次に1%のCOを考えてみますと、上記の通り1% = 10000ppmですから、10000 ppm = 10 mL/Lとなります。
パーセントをわざわざppmで表す必要はありませんが、お互いの単位を換算するイメージを持っていただくために、敢えてこんな書き方をしてみました。
ppm以外の小さな濃度単位
ppmは百万分率、即ち1/100万を表す単位ですが、より小さな濃度の単位としては以下が挙げられます。
- ppb:十億分率。1/10億を表す。1 ppb = 0.000000001 (10-9)
- ppt:一兆分率。1/1兆を表す。1 ppt = 0.000000000001 (10-12)
- ppq:千兆分率。1/1000兆を表す。1 ppq = 0.000000000000001 (10-15)
ppmでさえ十分に小さな濃度だと思いますが、化学の世界ではもっともっと小さな濃度を対象とすることがあるんですね。
私達の体に悪影響を及ぼす毒物なんかは、まさにここでご紹介したレベルの濃度でも致死量になる…ということもあります。
ppmと他の濃度の単位の換算方法
ppmとmg/lの換算
最近は濃度を表すのに、ppmではなくmg/Lという単位を使うのが一般的になってきています。
先の「ppmの濃度の求め方」の項の解説を読んで頂いた方はわかるかも知れませんが、気体の場合、1ppm = 1 μL/Lを意味しています。また、1000 ppm = 1 mL/Lと言うこともできるでしょう。
なお、水処理に関わる方々にとっては、気体ではなく水中の不純物の濃度を表すのにmg/Lという単位が使われていますが、水の比重は1.0であるため、1 kg = 1 L, 1 g = 1 mLです。
よって下式が成り立ち、ppmとmg/Lは同じ値とすることができます。
1 mg/L = 1 μL/L = 1 ppm
ppmとppbの換算
ppmとppbは以下のように換算します。
- 1 ppm = 1000 ppb
- 1 ppb = 0.001 ppm (= 10-3 ppm)
ppmと%の換算
ppmとパーセント(%)の換算方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。分率という考え方について知りたい方も、参考にしてみて下さい↓↓↓
ppmとパーセントの換算方法!%記号の由来や単位としての定義も!ppmとパーセントの換算方法!%記号の由来や単位としての定義も!
ppmなど濃度単位の換算ツール
本記事でご紹介した様々な濃度の単位の換算方法。これらを理屈として覚えておくのは大切ですが、とりあえず実務でササッと簡単に換算・変換したい!と思うこともありますよね。
以下に濃度の単位の換算ツールをご用意しましたので、数値を入力した上で換算前後の単位を選択し、「計算」ボタンを押してください。「計算結果」欄に換算結果が表示されます。
まとめ
ppmは「百万分率」とも言い、1/100万という割合(比率)を表す単位。メートル(m)やグラム(g)など他の単位のように何かの絶対値を表す単位ではない。
単位記号はそのまま[ppm]。
類似の単位に百分率の単位「パーセント(%)」がある。
気体で考えると、1 ppm = 1 μL/Lを意味する。また水中に限って言えば、1 ppm = 1 mg/Lとなる。
ppmより小さい濃度の単位に以下がある。
- ppb:1/10億。0.001 ppm
- ppt:1/1兆。0.000001 ppm
- ppq:1/1000兆。0.000000001 ppm