kgfの読み方や意味は？ニュートン(N)やkgへの換算・変換方法も！

今では国際的に単位の基準はSI（国際単位系）で定められていますが、それ以前にはMKS単位系やCGS単位系というものが使われていました。

MKSはメートル(m)・キログラム(kg)・秒(s,sec)の頭文字をとったもので、SIと同じくメートル法を基本とした単位系です。

キログラム力(kgf)はMKS単位系における力の単位ですが、SI単位であるキログラム(kg)や同じ力の単位であるニュートン(N)とどんな関係があるんでしょうか？

今回はkgfの定義やSI単位への換算（変換）方法などご紹介します。

キログラム力(kgf)とは

冒頭で書いた通り、キログラム力(kgf)はSIの前身であるMKS（メートル・キログラム・秒）単位系における力の単位です。

キログラム力（りょく）やキログラムフォースと呼ばれます。なお後述する定義により、kgw（重量キログラムまたはキログラム重）と同義です。

重さの単位であるキログラム(kg)にフォース(force)の頭文字であるfをつけて[kgf]と表します

1キログラム力(kgf)とは、1キログラム(kg)の質量に重力の標準加速度をかけたものと定義されていました。もう少しやさしい説明をすると、地球上に置かれた1kgの物体に及ぶ力という意味です。

そう、つまりkgfは地球上でしか適用できない力の単位であり、かつ重力による引力は赤道と北極・南極とでは異なるため、力学の基準単位として使うには正確な定義がし難いものだったんですね。

このため位置による差異を考慮せずに済むよう、SIでは新たにニュートン(N)という単位が定義され、そちらが国際標準として推奨されるようになったのです。

前の項に書いた通り、キログラム力(kgf)は重力の影響を受ける単位です。そのことを念頭に置いておくと、各単位との換算の考え方が割とわかり易いかも知れません。

先に書いた通り、重力は地球上の位置によってその大きさが異なりますので、9.80665m/s²（m/s²は加速度の単位）という基準値が設けられています。よって

1kgf = 1kg × 9.80665m/s²　となります。

一方SI単位であるニュートン(N)は1N = 1kg・m/s²と定義されていますから、2つの式の関係から以下のように換算することができます。

kgを質量の単位と捉える場合と重さ（重量）の単位と捉える場合とで、換算結果が異なります。

ニュートンの第2法則によれば、F(力) = m(質量) × a(加速度)で計算することができます。よって、質量としてのkgは実質、ニュートンとの換算と同じ計算式で求められます。

重さの単位としてのkgは、体重計やスケールなどの「はかり」で量る時の単位です。よって定義は以下の通りです。

1kgf = 1kg

質量と重さ（重量）は似て非なるもので、質量は物体自体が持つ不変の物理量ですが、重さは地球上にいる間のみ適用される物理量です。

kgfという単位は1キログラム(kg)の質量に重力の標準加速度をかけたものだと説明しましたが、重力加速度が「はかり」という障害物に邪魔される時、その物体の質量×重力加速度分の力がそのまま「はかり」にかかることになり、それを目盛で読んだものが「重さ」なのです。

つまり私たちがいつも読む重さとしてのキログラムという単位は、実は地球上でその物体にかかる力即ちkgfの事を指しているんですね。

CGS単位系ではダイン(dyn)が使われていました。

1ダインは1gの物に1秒間働きかけた時にその速度を1cm/sだけ増す力という定義ですから、ニュートンの1/100000(10^-5倍)の大きさとなります。よって、kgfとの関係は以下の通りです。

パウンダル(pdl)はポンダルとも呼ばれる、FPS（フート・ポンド・秒）単位系の単位です。質量1ポンドの物体を1ft/s²だけ加速するのに必要な力と定義されており、SI単位系のヤード・ポンド法バージョンという訳ですね。

1pdl = 0.13826Nであることから、kgfとの換算は以下のようにあらわされます。

キログラム力(kgf)はMKS単位系における力の単位。キログラム重(kgw)と同義の単位で、SIよりも前に使われていた。

定義： 1キログラム(kg)の質量に重力の標準加速度をかけたもの

他の単位との換算方法