血圧を測る時によく使われる「mmHg」という単位。初めて見る人には何の単位だか非常にわかりにくいでしょうが、これは圧力の単位の1つです。
でもこれって、意外と医療関係者の方でも「実際何て読めばいいのか分からない」という声を聴くんですよね。
今回はそんな読みにくい圧力の単位「水銀柱ミリメートル(mmHg)」について、読み方やPaなど他の単位との換算方法について解説します。
mmHgの読み方
mmHgという単位記号だけを見ると読み方が想像つかないかも知れませんが、この単位の成り立ちを覚えておけばそう難しいものではありません。
mmHgはミリメートル(mm) + 水銀(Hg)という構成です。従って、読み方は冒頭で書いた「水銀柱ミリメートル」の他にもいくつか種類があります。
- 水銀柱ミリメートル
- ミリメートル水銀柱
- ミリ水銀
- ミリエイチジー
- ミリメートルエイチジー
私個人や私の勤務先では「ミリエイチジー」と呼ぶことが多いですね。
mmHgの単位の定義
mmHgは「ミリメートル」という長さの単位が入っていますが、圧力の単位です。医療業界では今でも血圧の単位として認められているので、業界の方なら馴染みが深いでしょう。
また工学系で「湿り空気線図」を見たことのある方なら、今でも水蒸気圧はmmHgで表されていると思います。
mmHgは昔の圧力測定方法(水銀圧力計)における圧力の単位で、以下のように定義されていまうs。
1mmHg = 高さ1mmの水銀柱が与える圧力
上記をもう少し詳しく説明すると、重力加速度が正確に 9.80665 m/s2 (標準重力加速度)の時、高さ1mmかつ密度が正確に 13595.1 kg/m3 (温度0℃における水銀の密度)の水銀柱が与える圧力 という定義がされています。
mmHgと他の単位との換算方法
mmHgとPa
先述のmmHgの定義詳細Ver.を理解しておくと、mmHgとPaの換算式がわかり易くなります。
SI単位であるパスカル(Pa)は「1 Pa = 1 N/m2」で、更に1 N = 1 kg・m/s2なので、Pa = kg / (m・s2)という単位で表すことができます。
ここで先ほどのmmHgの定義から、以下が成り立ちます。
1 mmHg = 13595.1 kg/m3 × 9.80665 m/s2 × 1 mm
= 13595.1×9.80665×10-3 (kg・m2) / (m3・s2)
※1 mm = 10-3 mより
ここで分子のm2と分母のm3を約分すれば、mmHgとPaは以下のように換算できます。
1 mmHg = 13595.1×9.80665×10-3 kg / (m・s2)
= 133.322387415 Pa
逆に、1 Pa = 7.50062×10-3 mmHgです。
mmHgとkPa
1 kPa = 1000 Paですから、換算式は以下の通りです
- 1 mmHg = 0.1333224 kPa ≒ 0.13 kPa
- 1 kPa = 7.50062 mmHg
mmHgとmmAq
mmHgと似た圧力の単位である「水柱ミリメートル(mmAq)」、これらの換算式は以下の通りです。
- 1 mmHg = 13.5951 mmAq
- 1 mmAq = 7.35559 × 10-2 mmHg
なおこれら圧力の単位変換の一覧表を、以下の記事で掲載しています。パッと見ですぐわかる一覧表が見たい!という方は参考にしてください↓↓↓
圧力の単位換算表!kgf/cm2,psiなど簡単に変換!圧力の単位換算表!kgf/cm2,psiなど簡単に変換!
まとめ
mmHg = mm(ミリメートル) + Hg(水銀)を意味する圧力の単位。1mmHg = 高さ1mmの水銀柱が与える圧力と定義されている。
mmHgの読み方:ミリメートル水銀柱、水銀柱ミリメートル、ミリエイチジーなど
mmHgとPaやmmAqなどとの換算式
- 1mmHg = 133.3224 Pa = 0.1333224 kPa
- 1 Pa = 7.50062×10-3 mmHg
- 1 kPa = 7.60062 mmHg
- 1 mmHg = 13.5951 mmAq
- 1 mmAq = 7.35559 × 10-2 mmHg