メッツ(METs)の計算式(求め方)と運動強度の換算表!カロリーとの関係は?

ダイエットと関係の深い単位と言えば、カロリー(cal)とメッツ(METS)、そしてエクササイズ(Ex)です。

カロリーは誰でも知っているエネルギーの単位ですが、運動強度を示すメッツと運動量を示すエクササイズに関しては、それぞれの値が何を示すのか、よく分からない方もいらっしゃるでしょう。

今回はメッツ(METS)の求め方と、具体的な運動を例に挙げた上でそれぞれの運動強度がMETSではいくつになるのか、その換算表をご紹介します。

メッツ(METs)とは

メッツは厚生労働省が「健康づくりのための運動指針2006」で示した、身体活動量・運動量及び体力の基準値で、ごく最近作られたばかりの単位です。

具体的には「運動強度」と言って、1日の様々な動作や運動のハードさを数値で示した指標になり、以下のように定義されています。

運動強度[METs] = 座って安静にした状態を1(=基準)とした場合の、ある運動の消費エネルギールギー相対値(倍数)

 

エクササイズ(Ex)とは

普通に英語でエクササイズと言うと、ダイエットのための運動みたいなイメージですが、ここでは「運動量」を示す立派な単位です。

単位記号は[Ex]で、以下のように定義されています。

運動量[Ex] = 運動強度[METs] × 時間[h]

つまり、メッツ=運動強度が単位時間当たりの運動量を表し、そこに運動した時間を掛けた全体的な運動の量がエクササイズということです。

主な動作と運動強度の換算表

運動強度は何もスポーツなどの運動だけに定められている訳ではありません。立ったり歩いたり家事をしたりと、日常生活のあらゆる動作がメッツに換算されています。

以下に主な動作・運動の運動強度(METs)換算表をご紹介します。

出典:国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」

※2020年1月現在、メッツ表の最新版は2011年に作成された改訂版になります

日常生活の動き

まずは日常生活の中でよくある運動(動き)の運動強度(METs)と10分あたりの運動量(Ex)をまとめてみました。

日常生活の動きとMETS
運動 METs値 運動量[Ex]
※10分あたり
歩行(時速4.0km/h)
※平らな道
3.0 0.50
早歩き
(時速5,6km/h)
4.3 0.72
階段を上る
(ゆっくり)
4.0 0.67
階段を下りる 3.5 0.58
自転車に乗る 4.0 0.67
自転車に乗る
(やや早漕ぎ)
5.8 0.97
座位作業 1.5 0.25
立位作業 3.0 0.50
自動車の運転 2.5 0.42
身支度をする 2.0 0.33
掃除機掛け 3.3 0.55
入浴 1.5 0.25
睡眠 1.0 0.17

各種スポーツ

次に様々なスポーツの運動強度(METs)と10分あたりの運動量(Ex)です。

各種スポーツのMETS
運動 METs値 運動量[Ex]
※10分あたり
ランニング
(ゆっくり)
6.0 1.00
ランニング
(時速8km/h程度)
8.3 1.38
ランニング
(時速10km/h程度)
9.8 1.63
ランニング
(時速12km/h程度)
11.5 1.92
自転車レース
(時速25km/h程度)
10.0 1.67
自転車レース
(時速30km/h程度)
12.0 2.00
自転車レース
(時速32km/h以上)
15.8 2.63
バスケットボール 6.5 1.08
ボウリング 3.8 0.63
子供と遊ぶ 5.8 0.97
ゴルフ 4.8 0.80
乗馬 5.5 0.92
武術全般 10.3 1.72
登山
ロッククライミング
8.0 1.33
縄跳び(ほどほど) 11.8 1.97
サッカー 7.0 1.17
野球 5.0 0.83
卓球 4.0 0.67
テニス 7.3 1.22
バレーボール 4.0 0.67
MEMO
本記事で参照した「身体活動のメッツ表」では、様々な動作・運動が実に細かくMETsに換算されています。とても記載しきれないので、より詳しい情報を知りたい方は下記リンク先をご参照ください。

国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」

メッツとカロリーの関係

運動強度はあくまで座っている時を基準とした相対値なので、「結局この運動でどの位カロリーを消費できるんだろう?」と気になるダイエッターの方もいらっしゃるでしょう。

メッツとカロリーは、活動量の評価方法の1つ「活動記録法」において以下のように換算することが可能です。

エネルギー消費量[kcal] = 1.05 × エクササイズ[Ex] × 体重[kg]= 1.05 × (運動強度[METs] × 時間[h]) × 体重[kg]

上式を使えばメッツから消費カロリーを大体計算することができます。

具体的にパッと消費カロリーを計算したい方は、こちらのツールを使用してみて下さい。

体重・行った運動のMETs値と継続時間を入力すれば、消費カロリーを簡単に求めることができます。

まとめ

メッツ=運動強度の単位。

運動強度[METs] = 座って安静にした状態を1(=基準)とした場合の、ある運動の消費エネルギールギー相対値(倍数)

関連単位として運動量を表すエクササイズがある。

運動量[Ex] = 運動強度[METs] × 時間[h]

活動量評価法の1つ「活動記録法」においてカロリーとの換算が可能。

エネルギー消費量[kcal] = 1.05 × (運動強度[METs] × 時間[h]) × 体重[kg]

メッツは日常動作からスポーツまであらゆる運動に定められているので、詳しくは国立健康・栄養研究所が作成した表にて確認ください。