星の明るさと等級・等星の関係は?太陽など主な恒星の一覧表も!

星の明るさを表す時に使われる表現が「○等星」という等級です。

この星の等級にはさらに、「見かけの等級」と絶対的な明るさに基づいた「絶対等級」という2つの考え方があり、場合によってはマイナス表記になることもあるという、なかなかに奥が深い単位でもあります。

今回は星の等級について具体的な定義を解説し、太陽など主な恒星の明るさを一覧表にまとめました。

星の明るさと等級の関係

○等星といった表現は、星の明るさを等級で表したものです。等星なのか等級なのかややこしいかも知れませんが、[等星]というのが星の明るさを等級で表した単位であることを意味しています。

単位記号

[等星]※英語ではmagnitudeが用いられる

 

等星の定義

現在では、等星の数値は明るさの基準となるいくつもの「標準星」の光度から決められていますが、以下の定義を覚えておきましょう。

6等星の明るさ × 100倍 = 1等星の明るさ

つまり、1等級減るごとに明るさが2.512倍(100の5乗根)になるのです。

普通「等級」というのは整数で表されると思いますが、上記の定義により、星の等級は整数だけでなく小数点やマイナス(負の数)でも表すことができます。

例えば-1.0等星というのは、1等星の約5倍(2.512 × 2)の明るさであるというように、マイナスの数が大きいほど星としての明るさも強くなることを意味しています。

 

等星の由来

星の等級は、元々古代ギリシャの天文学者ヒッパルコスがが、肉眼で見た時の明るさを6段階で分けたことに始まります。

いわば完全なる彼自身の主観で、1番明るいと思った星を1等星、かろうじてギリギリ見えるなという星を6等星と決めたのですね。

ただ、これでは人によって等級も変わってしまうということで、今日でも使われる定量的な定義をしたのがポグソンです。

ポグソンは、1等星の明るさが6等星の100倍(1等級の差は2.512倍)であるという定義をしました。

これによって等星の数字が指数として表せることになり、前述の小数点やマイナス表記が可能となりました。

見かけの等級と絶対等級

等級の定義の項を読んでいただくとわかると思いますが、そもそも星の等級というのは、地球上から見た明るさが基本となっています。これを見かけの等級といいます。

見かけの等級では、例えば地球に最も近い恒星である太陽は非常に明るい=等級が大きいですが、北極星など夜にしか見えない天体は非常に等級が小さいということになります。

しかし実際には、北極星は太陽よりはるかに明るい天体であることがわかっており、星の明るさの絶対値を表すことができません。

そこで考えられたのが星の絶対等級です。絶対等級では、すべての星が同じ距離(10パーセク)にあると仮定した時の明るさを表しています。

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恒星の明るさについての表記を見るときは、見かけの等級なのか絶対等級なのかを注意して確認しましょう。

例えば太陽は、見かけの等級が-26.7等星と途方もないですが、絶対等級では4.8等星とされ、さほど明るい恒星ではないことがわかるのです。

主な恒星の等級一覧表

 

 

まとめ

星の明るさを等級で表した単位が[等星]。もともとは明るい順に1等星~6等星で定義されており、6等星は夜空でギリギリ肉眼で確認できる明るさ。

現在では1等星の明るさ = 6等星の明るさ × 100倍という式により、1等級の変化で明るさが2.512倍(100の5乗根)になるという定量的な定義がされており、小数点やマイナス表記も可能となっている。

また、等級には「見かけの等級」と「絶対等級」が存在し、それぞれ以下を意味する。

  • 見かけの等級:地球から見た時の(相対的な)明るさ
  • 絶対等級:すべての星が同じ距離(10パーセク)にあると仮定した時の明るさ

本文中では主な天体の等級一覧表を示したので、参考にしてみて下さい。