ルーメンとは?ワットとの換算・変換方法やプロジェクターの明るさ目安も

光の単位としてよく聞くのは次の3つでしょう。カンデラ(cd)・ルーメン(lm)・ルクス(lx)。

これらの中で特にルーメンとルクスは、LED電球や蛍光灯で使われていたりするので、一般の方にも割と馴染みがあると思います。

今回は「ルーメン(lm)」という単位に着目して、その意味・定義やよく換算される仕事率(工率)の単位「ワット(W)」との換算(変換)方法などについて解説します。

関連記事:カンデラ(cd)の明るさ目安は?単位の定義やルーメン・ルクスとの換算も!
カンデラ(cd)の明るさ目安は?単位の定義やルーメン・ルクスとの換算も!

ルーメン(lm)とは

ルーメンもカンデラ同様、SIで定められている単位の1つで「光束」を表しています。

光束とは、光を線として考えた時に、その線の数が多いほど光の量が多い=明るさいことを示す考え方です。

単位記号

[lm]※ラテン語で昼光を意味する「lumen」に由来

 

定義・意味

SIによる定義は以下の通りです。

1cd(カンデラ)の光源から1sr(ステラジアン)内に放射される光束

太陽の絵を描く時を思い出してほしいですが、光の線を全方向に描くことが多いですよね。ルーメンはあのイメージで、全方向に放射する光の量を示しています。

 

ルーメンの明るさ目安

以前カンデラの解説記事で書いた通り、1カンデラ(cd)は蝋燭(ろうそく)1本分の明るさですから、1(lm)ルーメンはろうそく1本が全方位に放つ光の量だと思って頂ければ良いです。

ですから、例えば100lmであればろうそく100本分の光というイメージになります。

具体的な照明器具の目安(従来の白熱電球とLED電球の明るさ比較など)については、次項「ルーメンとワットの換算方法」で解説します。

ルーメンとワットの換算方法

ルーメンはLED電球でよく使われるようになった単位です。それまでの白熱電球では明るさを「ワット(W)」によって表現していましたが、以前ご説明した通り、ワットは厳密には仕事率(単位時間あたりに消費するエネルギー)を表す単位です。

ワット(W)についてはこちらの記事で定義など解説しています↓↓↓
運動・熱・回転などエネルギーの単位換算表!eVやJ、Wを簡単に変換!
運動・熱・回転などエネルギーの単位換算表!eVやJ、Wを簡単に変換!

消費するエネルギーが多いからと言って明るいかと言うと、その照明器具の効率にもよるので、必ずしも消費エネルギーと明るさは比例しません。

ですから「明るさ」に関する定量的な定義としてルーメンが使われるようになったのですが、ワットとルーメンは具体的にどう換算すればよいのでしょうか?

回答としては、1つの換算式で表されるような物ではなく、白熱電球のW数とルーメンの比較表によって、「昔の60W電球相当の明るさは○○lmだよ」という目安が出されているのみなのです。

以下にその比較表の一例を示します。

一般白熱電球W相当 LED電球全光束
口金E17サイズ 口金E26サイズ
60 W形相当 760 lm以上 810 lm以上
50 W形相当 600 lm以上 640 lm以上
40 W形相当 440 lm以上 485 lm以上
30 W形相当 325 lm以上
25 W形相当 230 lm
20 W形相当 170 lm以上

出典:日本電球工業会ガイドライン

ルーメンと他の光の単位との換算方法

ルーメンをカンデラやルクスといった他の光の単位と変換する方法をご紹介します。

ルーメンとカンデラの換算

ルーメンの定義をもう1度思い出してみると、「1cdの光源から1sr内に放射される光束」でしたね。

ということは、ルーメンという単位をカンデラで表すと以下のようになります。

1 lm = 1 cd・sr

つまりルーメン = カンデラ×ステラジアン(立体角)ということですね。逆に考えれば、カンデラをルーメンに換算する際は、ステラジアン(立体角)で割れば良いことになります。

1 cd = 1 lm/sr

 

ルーメンとルクスの換算

照度の単位ルクス(lx)はルーメン(lm)から作られた単位で、「単位面積あたりの光束は何ルーメン(lm)か」という意味を持ちます。

よって逆に考えると、ルクス(lx)×面積(m2) = ルーメン(lm)になります。

1 lm = 1 lx・m2 

※1 lx = 1 lm/m2より

まとめ

ルーメンはSI系の「光束」を表す単位。[lm]と表記される。

定義:1 lm = 1 cd(カンデラ)の光源から1 sr(ステラジアン)内に放射される光束

ルーメン(lm)とワット(W)の換算方法は、日本照明工業会によって比較表が作成されている。換算式等ですぐに換算するのは難しい。

また、他の光の単位(カンデラやルクス)との換算方法は以下の通り。

  • 1 lm = 1 cd・sr
  • 1 lm = 1 lx・m2