キュービットという単位を聞いたことがあるでしょうか?英語ではcubitと書き、実は長さを表す単位の1つです。
今回は単位としてのキュービットの意味(定義)と、最近よく聞く量子コンピュータで使われる「キュービット」という単語やキュービットと名の付くベビーカーとの関係性についてご紹介します。
単位「キュービット」の定義
キュービット(cubit)とはラテン語で「肘」を意味する単語で、キュビト、キュビット、クビトなどと言われることもありますが、現在正式に使われている単位ではありません。
実は古代エジプトやメソポタミアで使われていたという長さの単位で、「肘から中指の先までの長さ」を表していました。
ご自身の肘〜中指までの長さを測ってみると想像がつくと思いますが、1キュービット=だいたい50cmです。
え、こんなの誰を基準にするかで長さ違うじゃない?と思われた方は鋭いです。なぜならその通りだったから!
しかも、この基準は誰でも良かった訳ではありません。古代エジプトでは、時のファラオ(王様)の肘から中指の先までの長さが基準だったので、ファラオが変わるたびに1キュービットの長さも微妙に変わっていたそうです。
現代ではとても考えられない、アバウトな単位ですよね!
更に言えば、古代エジプト以外の地域や時代ではまたキュービットの基準も異なっていたそうで、私達が使っている「単位」の概念の起源とも言える存在なのです。
豆知識:キュービットの用途
古代の人々は、このキュービットを何のために使っていたのでしょうか?
これまた古代エジプト時代における例ですが、何とピラミッド建設にも大いに使われていたそうです。かの有名なクフ王のピラミッドは底辺440キュービット、高さ280キュービットで正確に計算されており、古代エジプト人の計算力の高さが証明されています。
量子コンピュータにおける「キュービット」
Googleが研究を進めていることで脚光を浴びている量子コンピュータ。この量子コンピューターの世界でも「キュービット」という単語が使われていますが、本記事で紹介したキュービットと関係はあるのでしょうか?
結論から言うと、両者はアルファベットの綴りが異なっており、意味も全く異なる別物です。長さの単位のキュービットはcubitと書きますが、量子コンピュータの世界のキュービットはqubitと書きます。
量子コンピュータの世界におけるキュービット(qubit)は量子ビットまたはQビットと言い、「0と1の重ね合わせ」を意味しています。
いま私たちが使っているコンピュータは「ビット」という「0」と「1」からなるメモリで全てが成り立っていますが、量子コンピューターではこの0と1の重ね合わせが扱えるので、理論的には現代のコンピューターで数百万年かかるような計算も数時間レベルで答えを出せると考えられています。
ベビーカーの「キュービット」
アメリカのgb(グッドベビー)という会社から発売されているベビーカーにQbit(キュービット)というブランドがあります。
とにかく軽量でコンパクトということで、海外からの輸入品にもかかわらず特に都市部のパパママ達に人気があるブランドです(海外のベビーカーは大型で重い物が多いですからね)。
綴りから既に想像がつくと思いますが、こちらも長さの単位のキュービット(cubit)とは関係がありません。さらに言えば、量子ビット=キュービット(qubit)とも綴りが少し違いますね。
ちなみに少し話が逸れますが、もしQbitベビーカーを購入したい場合、輸入品になりますので、公式サイト(英語)よりも楽天などの通販サイトで製品概要を確認した方がわかり易くておすすめですよ。
公式サイトはこちら
楽天市場で買うならこちら
Amazonで買うならこちら
まとめ
キュービット:肘から中指の先までの長さを単位としたもの。古代エジプトやメソポタミアで使われていた単位。
※言葉の意味はラテン語で「肘」1キュービット=だいたい50cm
※ただし基準とする人によって微妙に長さが異なっていた
量子コンピュータにおける量子ビット=キュービット(qubit)と、本記事で紹介した単位のキュービット(cubit)は単位が異なり、特に関係性は無い。