周波数とは?ヘルツ(Hz)の求め方から単位換算まで計算方法解説!

ラジオが好きな方なら「周波数」は身近な存在でしょう。AM、FMを選んで周波数を合わせれば、特定の放送局の番組を聞くことができますよね。

しかしそもそも周波数とは何でしょう?どう計算するのでしょうか?そしてその単位にはヘルツ(Hz)が使われますが、ヘルツはどんな単位なのでしょう?

今回は周波数という概念そのものについて解説します。

周波数とは

周波数は電磁波(でんじは)に関する概念です。

電磁波は下図のように2組の波の形をしており、片方が電波、もう片方が磁波と呼ばれるものです。この2つの波は互いに直角をなしていて(直交していて)、その速度も波の長さ=波長も同じです。

 

ここで先に波長の話をすると、電磁波というのは、下図のような1つの波が繰り返されています。この隣り合う波の2つの頂点の距離が「波長」で、ギリシャ文字のλ(ラムダ)で表されます。波長の単位はメートル(m)です。

 

なお私たちが日ごろ目にする光も電磁波の1つで、光の波長の違いによって目には異なる「色」として認識されます。私たちの目に見える可視光の波長は、400~700ナノメートル(nm)です。

話が周波数から逸れましたが、では周波数とは何かというと、電磁波の単位時間あたりの波の数になります。英語ではfrequency(「頻度」の意)という単語が使われており、数式ではその頭文字fが使われます。

ある波長の波が1秒あたりにいくつ繰り返されるかを計算すると、

波の数 = 1秒あたりに進んだ距離(m) / 1波長(m)

となりますが、1秒あたりに進んだ距離というのはこれ即ち速度のことです。速度のSI単位はメートル毎秒(m/s)ですので、上の式に当てはめると、波の数は以下のように表されます。

波の数 = (m / s) / m = 1 / s

つまりこれが周波数の単位となります。

なお周波数の数字が大きくなるほど1秒当たりの波の数が多いということになりますが、周波数の量は「多い・少ない」ではなく「高い・低い」で表します。

大きい周波数 = 高周波
小さい周波数 = 低周波

周波数の単位「ヘルツ」

周波数は単位時間当たりの波の数であると述べましたが、その単位にはヘルツ(Hz)が使われます。

先の定義をそのまま当てはめたもので、固有の名称を持つSI組立単位の1つです。振動数の単位としても使われます。

単位記号

[Hz]※ドイツの物理学者Heinrich Rudolph Hertzにちなんでいます

 

定義

1秒間(s)に1回繰り返される臭気減少の周波数または振動数。

1Hz = 1 / s

 

よく使われる倍量単位

キロヘルツ[kHz]、メガヘルツ[MHz]、ギガヘルツ[GHz]、テラヘルツ[THz]

周波数は通信技術の発展に伴い、どんどん短い周期の波(=高周波)が使われるようになっています。2020年現在ではよく使われるのがテラヘルツ帯までですが、今後もっと技術が発展すれば、テラ以上の接頭語であるペタやエクサが使われるようになるかも知れません。

SI接頭語(接頭辞)についてはこちらの記事で詳しく解説しています↓↓↓
SI接頭辞(SI接頭語)とは?一覧まとめと変換方法、覚え方を紹介!
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周波数の計算方法

周波数fは、その波の波長λが分かれば計算ができます。

記事前半で「波の数 = 1秒あたりに進んだ距離(m) / 1波長(m)」と書きましたが、これを数式で表すと下式になります。

f = v / λ [Hz]※f:周波数、v:波の速度(m/s)、λ:波長(m)

ここで電磁波の速度はどのような物体の中でも一定であるので、vは定数と見なすことができます。つまり、周波数と波長の間には反比例の関係があるのです。

波長が小さい(短い)場合は周波数が大きく(高周波に)なりますし、逆に波長が大きい(長い)場合は周波数が小さく(低周波に)なります。

まとめ

周波数は「電磁波や振動波の単位時間当たりの波の数」の意味。英訳のfrequencyの頭文字を取ってfで表される。

使われる単位はヘルツ(Hz)で、固有の名称を持つSI組立単位の1つ。1Hz = 1 / s。

周波数と波長には逆数の関係があり、波長が短いほど周波数は高く、波長が長いほど周波数は低くなる。