電流の単位変換はどうやる?mAへの換算方法やArmsの考え方も!

電気に関する単位の国際的な基準(SI基本単位)は電流を表すアンペア(A)です。

小学生の理科で習う、私達の生活にもなじみのある単位ですが、電気に関する他の単位(ボルトやクーロンなど)はどう表すのか、ご存知でしょうか。

また、機器の仕様書に時折記載のある「Arms」の意味は?など、アンペアに関する基本知識についてまとめてみました。

アンペア(A)とは

冒頭に書いた通り、アンペアはSI(国際単位系)の基本単位の1つです。つまり現代社会において、国際的に認められたすべての電気に関する単位の基準であると言えます。

なお「アンペア」という単位名は、かの有名な「右ねじの法則」を発見したフランスの物理学者アンペールに由来しています。

参考記事:SI基本単位については、こちらの記事で詳しくまとめています↓↓↓
国際単位系とは?SI基本単位と換算(変換)を一覧表で紹介!
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アンペアの定義

アンペアの定義は下記の通り何やら複雑です。

真空中に1メートルの間隔で平行に置かれた無限に小さい円形断面積を有する無限に長い直線状導体に、同量の電流を流す時に導体の長さ1メートルごとに2×10-7ニュートンの力を及ぼし合う一定の電流

上記を読むと文系にとってはサッパリ意味が分かりませんが、要はアンペールさんが右ねじの法則を発見した時、平行に置かれた2本の導体に電流を流す実験を行っていたことから、じゃあその実験を元に電流の大きさを定義しましょうと決められた訳ですね。

アンペア(A)の倍量単位・分量単位

電流でよく使われる単位はアンペア(A)の他、ミリアンペア(mA)やキロアンペア(kA)、マイクロアンペア(μA)などがあります。

これらは基本となるアンペアに「SI接頭辞」と呼ばれる倍数を表す記号を付けたもので、倍量単位もしくは分量単位と言います。

参考記事:SI接頭辞(接頭語とも呼ばれます)については、こちらの記事で詳しくまとめています↓↓↓
SI接頭辞(SI接頭語)とは?一覧まとめと変換方法、覚え方を紹介!
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主なアンペアの倍量単位・分量単位と単位変換は以下の通りです。

アンペアと他の単位の換算方法

アンペア以外の、電気に関する単位は以下の通りです。

  • 電力の単位:ワット(W)
  • 電圧の単位:ボルト(V)
  • 電荷の単位:クーロン(C)
  • 静電容量の単位:ファラド(F)
  • 電気抵抗の単位:オーム(Ω)
  • コンダクタンスの単位:ジーメンス(S)
  • 磁束の単位:ウェーバ(Wb)
  • 磁束密度の単位:テスラ(T)
  • インダクタンスの単位:ヘンリー(H)
  • 電力量の単位:キロワット時(kWh)

ワットとキロワット時に関しては、直接的にアンペアから換算することができませんが、ボルトなど重要な概念を表すために使われる単位なので、ここでご紹介しました。

Armsとは

電化製品を購入した際、その仕様書に「定格電流1.0Arms」などの表記を見かけることがあるでしょう。

これは「アームス」と読む新たな単位…という訳ではありません。アンペア(A)の実効値(RMS)であるということを意味する記号です。

実効値(RMS)とは

電気には直流と交流という2つの概念がありますが、交流電流→直流電流への変換に使われるのが実効値(RMS)です。

RMSは以下の略語であり、日本語に訳すと「二乗平均平方根」という意味です。

RMS: Root Mean Square value

平均という単語が入ってはいますが、RMSは交流電流(正弦波)における最大値(振幅)を√2で割って(1/√2を掛けて)算出します。

つまり、例えば1.0Armsという表記があった場合は「実効値で1.0A → 交流電流ならば振幅が1.41A」ということを意味しています。

まとめ

アンペア(A):SI基本単位の1つで電流の大きさを表す。ボルト(V)やワット(W)など電気に関する他の単位は、全てアンペアを基準に組み立てることができる

よく使われる倍量・分量単位:kA、mA、μAなど

1kA = 1000A

1A = 1000(103)mA = 1000000(106)μA = 1000000000(109)nA

他の電気関連単位への変換例

  • クーロン(C) = s・A
  • ボルト(V) = W/A
  • 電気抵抗(Ω) = V/A
  • コンダクタンス(S) = A/V

Arms:アンペア(A)の実効値(RMS)であることを示す記号で、直流電流と交流電流の換算に使われる。

電流実効値 = 交流電流の振幅(最大値) × 1/√2