女性にとって冬場のファッションに欠かせないアイテムの1つがタイツでしょう。
そこに書かれた「デニール」という単位、具体的に何を表しているか気になったことはありませんか?
また、まだあまり見かけないかも知れませんが、最近では「デシテックス」なんて単位も聞かれるようになりました。
今回はこれら衣服(繊維)に関する単位の意味や換算方法について解説します。
目次
デシテックスとは
デシテックスは糸の太さ(綿密度)を表す単位です。SI単位系ではありません(非SI系)。
デシテックスの定義
10000m(10km)の糸の質量が1gの時、その糸の太さが1デシテックスと定義されています。
デシテックスの値が大きいということは、同じ質量(重さ)でも糸が太いことを意味しますので、より厚手の生地であると言うことができます。
例:30デシテックス → 10000mで30gの質量(重さ)の糸
デシテックスの記号
デシテックスの英語表記decitexを短縮させた[dtex]と表記します。
デニールとは
デニールも糸の太さ(綿密度)を表す単位で、デシテックス以前から使われていました。私たち(特に女性)にとってもなじみのある単位ですね。
こちらも非SI系の単位です。
デニールの定義
9000m(9km)の糸の質量が1gの時、その糸の太さが1デニールと定義されています。
ちなみにデニールの語源はフランス語の「denier(ドゥニエ)」で、かつてフランスで使われていた貨幣の単位です。
例:30デニール → 9000mで30gの質量(重さ)の糸
デニールの記号
デニールは語源の頭文字である[D]と表記します。
デシテックスとデニールとの関係
デシテックスもデニールも、同じ糸の太さを表す単位です。
元々はデニールだけが使われていましたが、デニールの定義が「9000mの糸の質量が1gの時、その糸の太さ」であったことから、キリが悪いということで、1999年に改めて10000mを基準にして作られたのがデシテックスなのです。
従って現在、タイツの厚さを表す単位として本来使うべきなのはデシテックスなのですが、私たちの生活では既にデニールが浸透していますし、一般人からすると9000mも10000mも大差ないレベルなので、今でもお店では普通にデニールが使われています。
デシテックスとデニールの換算方法
デシテックスとデニールの定義をそれぞれ説明したので、換算方法は何となく想像がつくかもしれません。
両者は、糸の重さを量るための長さが異なる(デシテックスは10000m、デニールは9000m)だけなので、この長さの違いを換算することができます。
具体的な換算式は以下の通りです。
逆にデニール→デシテックスへの変換をしたい時は下式が使えます。
【豆知識】タイツとストッキングの違い
デニールと聞けばまずタイツを思い浮かべると思いますが、似たような品としてストッキングがありますよね。
ですが店頭で見かける際、ストッキングにはあまりデニール(デシテックス)表記を見かけない気がします。
タイツとストッキング、基本的にはタイツが厚手、ストッキングが薄手というイメージがありますが、両者の違いは何でしょうか?
これはメーカーによって異なるものの、基本的には以下のように定義されているそうです。
- 30デニール以上:タイツ
- 30デニール未満:ストッキング
まとめ
デシテックスは糸の太さ(綿密度)を表す単位で、デニールに代わり新しく作られた単位。
定義:10000mあたり1gの糸の太さが1dtex(デシテックス)
デニールも同じく糸の太さを表す単位で、デシテックスとは基準となる長さが異なる。
定義:9000m当たり1gの糸の太さが1D(デニール)
dtex⇔D 換算式:10/9 × dtex = D 又は 9/10 × D = dtex