天文単位auの求め方・計算方法!定義とパーセクや光年との関係も!

宇宙において星と星の間の距離を測る単位として、私たちに最もなじみのある単位が「光年」でしょう。

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しかし天文学においては、光年以外にもいくつか距離を表す単位が存在します。

今回はその中の1つ「天文単位(au)」の意味・定義や求め方などについて解説します。某通信会社とは何ら関係ありませんのでご留意ください。

天文単位とは

天文単位は光年で表すには短すぎる、比較的近い星の距離を測る単位です。

例えば太陽系内の太陽-水星間の距離は5,800 km程度しかありません。これを光年で表すと、0.00000613光年となってしまい、あまりに数が小さ過ぎますよね。

ですから、もう少し使い勝手がいい小さな単位として、天文単位が考えられたのです。

単位記号

[au]※天文単位の英語表記「Astronomical Unit」の頭文字を取ったもの

 

定義・意味

天文単位は地球と太陽との平均距離を基準とした長さの単位です。その定義をあえて式で書くと以下の通りです。

平均とされているのは、地球が太陽の周りを公転する軌道はきれいな円ではない、つまり年間を通して地球と太陽の距離は微妙に変化するためです。

1 au = 地球と太陽との平均距離

 

auとkmとの換算

地球と太陽の平均距離 = 1 auはおよそ1億5000万 kmとされていますので、ざっくり覚えるならこれで十分でしょう。

天文単位(au) × 150,000,000という計算式で、簡単に(?)キロメートル(km)へ換算することができます。

なお、もし正しく覚えたいという方は下式を参考にしてください。

1 au = 149,597,870,700 m = 149,597,871 km

太陽系の惑星の距離

太陽系の惑星と太陽との間の距離を天文単位(au)、キロメートル(km)、そして光年(ly)で表した一覧表を作ってみました。auの使い方として参考にしてみて下さい。

太陽系内の惑星の距離
名称 太陽からの距離
天文単位[au] キロメートル[km] 光年[ly]
水星 0.3871 約5791万 6.1211×10-6
金星 0.7233 約1億820万 1.1434×10-5
地球 1.0000 約1億4960万 1.5813×10-5
火星 1.5237 約2億2794万 2.4093×10-5
木星 5.2026 約7億7833万 8.2270×10-5
土星 9.5549 約14億2940万 1.5109×10-4
天王星 19.2184 約28億7500万 3.0389×10-4
海王星 30.1104 約45億440万 4.7612×10-4
冥王星 39.482 約59億640万 6.2431×10-4

参考:国立天文台「理科年表」

注意
冥王星は準惑星ですので、厳密には惑星という定義ではありませんが、本記事では惑星の1つとして扱っています。

 

天文単位と他の単位との換算

天文学における距離の単位には、天文単位のほかに「光年(ly)」や「パーセク(pc)」があります。

これらの単位と天文単位との関係をご紹介します。

天文単位と光年の関係

天文単位と光年の関係は割と単純です。どちらの宇宙における距離の単位ということで、例えるなら1 mm(ミリメートル)と1 km(キロメートル)の関係というイメージです。

どちらもkmに換算すると、以下のようになります。

  • 1 au = 149,597,871 km
  • 1 ly = 9,460,730,472,581 km

もし直接両者を変換(換算)したいのであれば、下式を使うとよいでしょう。

  • 1 ly = 63241 au
  • 1 au = 1.5813 × 10-5 ly

こうしてみると、改めて光年という単位の途方もなさが実感できますね。。。

参考記事:光年とは?意味や測り方、冥王星や月までの距離が何光年かなどわかりやすく解説!
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天文単位とパーセクとの関係

パーセク(pc)は光年よりもさらに長い距離を表す単位で、1 pc = 約3.26 lyとなっています。

しかしその定義には天文単位(au)が大きくかかわってきます。

詳しくは下の参考記事で書きましたが、求めたい恒星の位置と地球から見た位置のズレ(年周視差)をθとすると、パーセクと天文単位との間には下記の関係が成り立つのです。

tanθ = 1 au / 1 pc

つまり、auとpcを直接変換(換算)したい場合は下式が使えます。

  • 1 au = pc × tanθ
  • 1 pc = au / tanθ

参考記事:スターウォーズに出てくるパーセクは何の単位?求め方や由来など!
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まとめ

天文単位:光年で表すには短すぎる、比較的近い星の距離を測るために使われる単位。地球と太陽の平均距離を1天文単位としたもの。単位記号は[au]。

天文単位とkmの換算方法は以下の通り。大体で覚えるなら、1 au = 1億5000万km。

1 au = 149,597,870,700 m = 149,597,871 km

また、他の宇宙に関する距離の単位との関係は以下の通り。

光年(ly)

  • 1 ly = 63241 au
  • 1 au = 1.5813 × 10-5 ly

パーセク(pc)

  • 1 au = pc × tanθ
  • 1 pc = au / tanθ